1992年からモンクトン大学にて社会言語学、メディアの言説分析、文化の多様性に関する講義と研究を行っています。カナダのフランス語圏(ケベック州、ニュー・ブランズウィック州)の多文化共生の現状 - イスラム教徒の人々との共生、メディアの報道のあり方について - 共同研究を行い、11月の国際シンポジウムで発表します。
平成29年11月25日(土)に甲南大学で国際シンポジウム「北米の多文化共生社会の現状と未来」の第1部で、「2つのビジョンに直面するムスリム系カナダ人:インターカルチュラリズムと多文化主義」という題名で基調講演を行いました。21世紀に入り、さまざまな理由から人々の移動がますます増え、世界各地で「多文化共生」をどう考えるか、という問題が提起されています。宗教や習慣の異なる人々との共生を今後、どのように考えていくべきかについて、みなさんと考えることが出来ました。
国際シンポジウムに参加した関西の他の私立大学の教員から連絡があり、学術面での交流を望んでおられました。今後、多文化共生にかかわる研究のさらなる発展が期待できます。また、甲南大学長との懇談の中で、数年後の目標として、私の所属するモンクトン大学への甲南大学生の短期間の交流・学術訪問の可能性が話題に上りました。今回のHORN事業を通じて大学間の新たな国際交流の可能性が生まれたことをお伝えしたいです。以上、HORN事業により、兵庫県民、学生に研究成果の還元ができたこと、また、多くの面において実り多い結果が生まれたことを心から感謝申し上げます。