
小さい頃から旅行好きな母に連れられて色々な国に旅行にいき、その頃から日本と違う外国の景色や文化を体感することがとても好きでした。大学で交換留学をしたいという気持ちは元々ありましたが、明確なきっかけとなったのはカリキュラムの一環で行われたフィリピンへの語学留学を通して得た体験でした。約1ヶ月間という短い期間でしたが、これまでのどの海外旅行よりも長く、日本以外の土地で初めて身の回りを全て自分で管理しなければならないという状況で、より感覚を研ぎ澄ませて日々を過ごせたように思います。
その中で、たくさんの日本との「違い」を発見しました。空気の匂い、食べ物、水道水、道路を走る車、人々の距離感、そんな大小様々なところに見える違い、文化の違いが国や地域ごとに異なる「常識」や「普通」をもたらしていることに気がつきました。そして、それは現地に赴いて生活してみなければ気がつけなかったことだと思います。
グローバル化が進んだ現代では、外国にビジネスの機会を見出すことがさらなる企業の発展、しいては、足りない部分を互いに補い合い、世界をより良くするための大きな要素であると思います。
国ごとに抱えている問題は違い、「日本にあってこの国には足りていないもの」が必ずあります。その需要を的確に捉え、確かな技術とその国の文化や背景への理解を携えて進出することが重要です。しかし、日本の特に中小企業の多くは高い技術力を有しながら、海外進出の割合が低いという現状があります。
私は、留学を通して自らの視野を広げると共に国々の現状を的確に捉え、違いから需要を見出す目を養いたいと考えています。
異なる常識や文化を学び、それを日本と世界の企業をつなぐため、包括的な発展のために活かしていきたいです。

ドイツのキールに来て最初に驚いたのは、人々のフレンドリーさでした。カフェやバスの中、買い物中でも、挨拶をきっかけにその場の人たちと自然に会話を楽しんでいる光景が印象的でした。私はドイツ語が話せないまま渡航しましたが、多くの人が英語や身振り手振りを交えてにこやかに接してくれたため、渡航前に感じていた不安はすぐに和らぎました。また、どこに行ってもスマートフォンを触らず、人との会話を楽しんでいる人が多いことにも新鮮さを感じました。
一方で、生活が始まると行政手続きの多くがドイツ語で行われ、書類も手紙で届くため、最初の数週間はその複雑さに苦労しました。しかし、その経験を通じて、新しい環境で自分の力で生活していく実感が湧き、身が引き締まる思いがしました。
ヨーロッパには、留学生の支援や国際交流を目的としたErasmus Student Network(ESN)という学生団体があり、さまざまなイベントが定期的に開催されています。授業が始まってからは、ESNや大学のイベントを通じて多くの学生と交流することができました。小旅行や地域ならではのイベントなど、異文化に触れる機会も豊富で、楽しみながら多くの学びを得ています。
また、Kiel University of Applied Sciencesの授業では、教授と学生の距離が近く、フラットで活発な議論が行われています。学生一人ひとりが自分の考えを持ち、それを共有することが求められるため、授業への主体的な関わりが自然と高まります。ドイツでは、「正解を知ること」よりも「自ら考えること」が重視されており、授業や日常会話でも自分の意見を述べることが求められます。そのため、新しい価値観に触れるだけでなく、自分自身の経験や日本の文化について見つめ直す機会も増えました。ドイツへ留学してから学校でも日常でも様々な人との交流の機会が増え、まさに自分の視野を広げるための絶好の機会だなと感じています。
さらに、長期休暇にはヨーロッパ各国を訪れることも留学生活の大きな魅力の一つです。日本とは異なる街並みや文化に触れる中で、たくさんの新しい発見を得ることができます。

ドイツ、キールへの留学を終えて日本に帰国してから家族や友達に雰囲気が変わったね、顔つきが良くなったねとよく言われるようになりました。つまり、留学前よりもどこかハキハキしていて明るいということだと思うのですが、私自身、人との接し方についてドイツでの生活を通して学ぶ部分が多く、吹っ切れたというのが大きな変化の一つだと思います。例えば、日本ではスーパーマーケットに入った時にわざわざ店員の方にこんにちはと言うことはありませんし、お礼は言うけれど、さようならと言うことはありませんでした。ドイツで生活していた時は、そういった挨拶が当たり前に交わされていました。そういった小さな日々の交流によって人々がにこやかに暮らす社会がとても素敵だなと思い、私もどんな時でも挨拶をするようにしていました。それは日本に帰ってからも形を変えて継続されています。また、空気を読むことや、相手の気持ちを察するということについて日本にいた時は当たり前だと思っていましたが、ドイツに来てその言葉にどれだけ甘えていたのかということを痛感しました。授業ではもちろん、日常生活でも自分の考えやなぜそう思ったかを日々交換することが当たり前の環境で、自分の考えを言葉にすること、その根拠について考えることがとても多くなりました。その中で人との会話を惜しまず、自分を表現することが前より上達したと感じます。
また、日本とドイツでは暮らしや文化に違いがとてもたくさんありますが、その中でも私は乗馬産業について研究する中で日本の乗馬産業を盛り上げ、人々の関心を高めるためのアイデアをヨーロッパの乗馬業界のあり方からとてもたくさん学ぶことができました。日本とは違う環境での新たな発見の連続は私の中の価値観や考え方を大きく広げてくれたと感じます。
そして、ドイツで多くの学生や街の人々と交流する中で自分の将来についてより考えが深まったことも留学の成果の一つです。現在は将来について、就職して日本のビジネスの現場を体得する中で興味分野への理解を深め、必要に応じてより専門的に学ぶために再びヨーロッパの大学院に行こうと思っています。
留学に行く前は、学部を卒業したら就職しようとなんとなく考えていましたが、私の行った大学には働きながら学ぶ人や、キャリアを積んでから大学にもどってくる人など、多種多様な背景を持つ学生の方々がおり、様々な方と話をする中で、道は日本での就職だけではないのだと気づき、そこから自分の将来について、より深く考えるようになりました。また、ドイツでの学びや生活を通して将来、海外で様々な人々と共に働ける環境に身を置きたいと思うようになり、今はこの目標をもっと具体的にするために自分と向き合って、実現に向けて努力する日々ですが、留学前よりも確実に将来にワクワクしているなと感じます。