HUMAP  兵庫・アジア太平洋大学間ネットワーク Hyogo University Mobility in Asia and the Pacific

2025年度『受入』

  • 氏名:H.Z. [ 中国 ]

  • 受入期間:2025年09月22日 ~ 2026年03月31日
  • 受入大学:兵庫県立大学
  • 在籍大学:蘇州大学


留学のきっかけ、目的

 私が日本への留学を志すようになったきっかけは、日本の経済発展の歴史とその独自の経済システムに対する関心からです。日本はアジアの中でも経済大国でありながら、社会保障制度や少子高齢化、地方経済の活性化といった現代的課題にも直面しています。これらの複雑な経済問題に対する政策的対応やデータ分析の手法を、日本の大学で体系的に学びたいと考えるようになりました。
 また、日本の大学では理論だけでなく、実証分析や現実の経済政策に基づいた実践的な教育が行われており、特にミクロ経済、マクロ経済、公共経済、金融政策など幅広い分野に対応したカリキュラムが整っています。私は将来、自国の経済政策立案や民間経済活動に貢献したいという思いがあり、日本での学びを通じてそのための知識と分析力を身につけたいと考えています。
 しかも、日本は経済だけでなく、文化や社会制度も非常に整っており、多文化的な環境で生活することで視野を広げることができると信じています。日本語を学ぶことにも意欲があり、経済データや研究論文を日本語で読み解く能力も高めたいと考えています。
 今まで、蘇州で一年以上生活しています。ここでとても楽しい時間をすごしたものです。それで、蘇州大学の友好校としての貴校での学習も生活も楽しみにしています。

留学中の体験

私は兵庫県神戸市にある兵庫県立大学で経営学を主修する交換留学生として、かけがえのない時間を過ごしています。私の大学生活の中で最も濃密で、心から「来てよかった」と思える充実した体験となっています。
大学での学習面では、ゼミをはじめ、「フィールドワーク方法論」や「地域経営理論」といった、実践的で非常に興味深い講義に数多く参加しています。ただ教室内で教科書を読むだけでなく、実際に現場の空気を感じながら地域の課題や経営のあり方を考えるアプローチは、私にとって新鮮な発見の連続で、知的好奇心が大いに刺激されました。熱心に、そして親身になって指導してくださる先生や、いつも温かく笑顔で迎えてくれたクラスメートたちのおかげで、毎日のグループワークや議論が本当に楽しかったです。彼らと過ごした時間は、学問的な知識以上の、国境を越えた温かい絆という素晴らしい財産を私に与えてくれています。
生活の拠点となった神戸は、海と山に囲まれた洗練された美しい街並みが本当に魅力的で、すぐに私にとって大好きな、心落ち着く場所になりました。キャンパスライフの中で特に心に残っているのは、学校の学園祭に参加したことです。日本の大学ならではのエネルギーと活気溢れるお祭りの雰囲気を肌で感じながら、模擬店を回ってたくさんの美味しいものを食べ歩いたことは、忘れられない賑やかで楽しい思い出です。
また、この貴重な機会を最大限に活かそうと、休みの日は積極的に外の世界へ飛び出しました。拠点である関西地域をくまなく巡ったのはもちろんのこと、東京都市圏や関東近郊、さらには九州のいくつかの県にまで足を伸ばしました。各地の美しい景色に癒やされ、その土地ならではの文化や食に触れる旅を通じて、日本という国の多様な魅力を深く知ることができ、人間としても一回り視野が広がったような気がしています。この留学で得た知識、素晴らしい出会い、そして挑戦した記憶の全てを胸に、これからも一歩ずつ進んでいきたいと思います。

留学の成果、将来の目標

兵庫県立大学での交換留学を経て、大学院の修了と卒業を間近に控えた今、私はこの留学期間がもたらしてくれた成果の大きさを深く噛み締めています。今回の留学は、日本語翻訳を専攻する私にとって、単なる語学の習得を超え、専門知識と実践能力を融合させる極めて重要な転換点となりました。
経営学の観点からは、ゼミをはじめ「フィールドワーク方法論」や「地域経営理論」といった講義を通じ、単なる理論の暗記にとどまらない「生きた経営」のダイナミズムを学ぶことができました。日本の地域社会が抱えるリアルな課題や、それに対する企業の戦略的なアプローチを現場レベルで考察したことで、教科書の外にある血の通ったビジネスの論理や、日本独自の緻密な商習慣への理解が劇的に深まりました。現場に足を運び、当事者の声を聞きながら思考を深めるプロセスは、私に物事の表面だけでなく、その背後にある構造や意図を読み解く力を授けてくれました。
この経営学の学びは、翻訳の観点からも決定的な成果をもたらしました。翻訳において最も重要なのは、単語を別の言語に置き換えることではなく、その分野の専門知識に基づいた的確な文脈理解です。今回の留学で日本のビジネスや地域経営のリアルな現場に触れたことで、話し手の真の意図を汲み取り、文化的背景までを考慮した自然で説得力のある表現へと昇華させるための強固な土台を築くことができました。専門知識という裏付けがあって初めて、真の意味での「生きたコミュニケーション」を支えられるのだという、翻訳者としての本質的な姿勢を体得できたことは、専門職を目指す者として大きな誇りです。
これらの経験は、私の今後のキャリアと人生に計り知れないほど肯定的な影響を与えています。私は将来、単に通訳や翻訳のスキルを提供するだけでなく、経営学的視点と言語能力を掛け合わせ、ビジネスの現場で双方の真のニーズを的確に把握し、最適な価値を生み出せる「真の架け橋」になりたいと考えています。留学中に日本各地を巡り、多様な文化に触れたことで養った柔軟な思考力と、未知の環境に飛び込み道を切り拓いた自信を胸に、社会人になってからも絶えず自己研鑽を続け、中日両国の経済や社会の発展に誠実に貢献していく決意です。