HUMAP  兵庫・アジア太平洋大学間ネットワーク Hyogo University Mobility in Asia and the Pacific

2024年度『受入』

  • 氏名:H. Y. [ 中国 ]

  • 受入期間:2024年10月01日 ~ 2025年08月05日
  • 受入大学:神戸大学
  • 在籍大学:華東師範大学


留学のきっかけ、目的

私は大学時代からコーパスを活用した日本語研究に非常に強い興味を抱いています。大学三年生の時には、「BTSJコーパスを基に、ポライトネス理論から見る日本人大学生の会話特徴」についての研究を計画しました。この研究では、日本人大学生の会話におけるポライトネスをコーパスデータを用いて分析することを目指していました。しかし、残念ながらコロナ禍による影響で、予定していた交換留学がキャンセルされてしまいました。その結果、このプロジェクトも実現することができませんでした。その悔しさを抱えたまま、大学院進学を決意し、華東師範大学で王建英先生の指導の下、日本語語彙論と第二言語習得について学び始めました。王先生の授業や研究指導を通じて、語彙の重要性や第二言語習得プロセスについて深く理解することができました。そして昨年9月に、神戸大学の石川慎一郎先生が行ったオンライン講座に参加したことで、コーパス言語学への興味が一層深まりました。
このような経験を通じて、私は神戸大学国際文化学研究科で石川教授の指導を受けながら、コーパスを活用した中国人日本語学習者の語彙習得についてさらに深く研究したいと考えています。具体的には、中国人学習者が日本語の語彙をどのように習得し、使用するのかをコーパスデータを用いて詳細に分析し、学習者の語彙習得を支援する効果的な教育方法を探求したいと考えています。留学を通じて、石川先生の研究室で学びながら自己成長を遂げることを強く希望しています。神戸大学の先生方のご指導を仰ぎつつ、より深い洞察と知識を身につけ、将来の研究と日本語教育に貢献したいと心から願っています。私の目標は、学術的な研究を通じて日本語教育の質を向上させ、中国人学習者が日本語をより効果的に学ぶための新しい方法を提案することです。

留学中の体験

 この度、HUMAP奨学金をいただき、貴重な留学生活を送ることができました。この留学を通して、研究の深化、教育現場での学び、そして異文化の体験など、多くのことを経験しました。以下では、私の留学中の具体的な体験について振り返りたいと思います。
・研究活動を通じて得た成長
 今回の留学で最も大きな成果の一つは、研究活動における成長です。人生で初めて英語での発表を経験しました。上海で開催された国際学会に参加し、自身の未熟ながらも真剣に取り組んだ研究成果を英語で発表するという挑戦をしました。この準備の過程では、指導教員の先生から多くのアドバイスをいただき、初めての学会ポスターも作成しました。
 発表当日は、多くの参加者が私のポスターを見に来てくださり、先輩研究者や他大学の学生と交流することができました。その中で、自分の研究における制限や課題を再認識する機会にもなりました。このような経験を通じて、研究の重要性と責任感を改めて感じることができました。
 さらに、留学先ではさまざまな授業を受講し、母国では得られない新たな知識を吸収しました。その中でも特に印象に残っているのは「応用言語学」の授業です。この授業では、言語がどのように人間の社会生活に応用されるかを深く学ぶことができ、研究の視野を広げることができました。
・教育現場での見学
 また、教育現場での見学を通じて学びを深める機会にも恵まれました。これまでテキストで学んできた理論的な知識が、実際の授業でどのように応用されているのかを目の当たりにし、大変勉強になりました。
 現場では、教師の方々がどのように授業を組み立て、生徒と向き合っているかを学びました。特に、授業の中で理論を効果的に活用する方法や、生徒たちの興味を引きつける工夫など、非常に参考になる点が多くありました。この見学を通じて、今後自分が教育に携わる際にはどのように知識を活用すべきかを考えるきっかけとなり、とても有意義な時間を過ごすことができました。
・異文化体験と日本の名勝巡り
 留学中には、研究や授業だけでなく、日本の文化や名勝を楽しむこともできました。姫路城を訪れ、他の留学生たちと一緒にハイキングをしたのは特に楽しい思い出です。日本の歴史を感じることができるこの場所で、留学生同士で親睦を深めることができました。
また、京都では紅葉を楽しみました。秋の深まりとともに鮮やかに彩られた紅葉はとても美しく、まさに日本ならではの風景を堪能することができました。こうした経験を通じて、日本の自然や文化の豊かさを改めて実感しました。

留学の成果、将来の目標