留学を試してみたいです。
なぜなら、世界を見たり、いろいろな人とコミュニケーションをとったり、自分自身をよりよく知る機会を追いかけたいからです。子供の頃から異文化に魅了されており、特に日本文化にある「相手を尊重し、できる限り理解しあえるように話す」という交流スタイルに感心しています。
そこで、大学で日本語を専攻することに決めました。将来、日本へ留学に行きたいと思っていたのです。
しかし、経済状況や伝統的な教育方法を受けていたため、大学に入った前は海外に行ったことがありませんでした。大学受験を終えた後、北京外国語大学に進学し、ようやく日本語学科に入って、日本語を勉強し始めました。
留学することで、新しい文化、言語、価値観に触れ、自分自身を再発見することができます。これは自分の語学力を向上させるだけでなく、現地の文化を直接体験できるのです。新しい環境で歴史と文化、名勝旧跡、それらすべてが私の視野を広げ、人生に挑戦する力の源になると思っております。
迷いながら試し、試しながら成長してきました。もしかしたら、私の弱点の中にこそ、成長のチャンスが隠れているのかもしれないと思いました。
留学の終わりの頃、自分が所属している学部の留学フェアに参加しました。その場で、留学生たちはみんなそれぞれが自分の留学経験をシェアし、留学に関心がある方々へアドバイスをしました。皆さんと話しているうちに、一年前の自分を思い出しました。
最初は、本当に電車の乗り方すらわからないのに、今はもう神戸での生活に慣れていました。
歴史の流れや異国情緒あふれる街並みが感じられる一方で、海と山に囲まれた神戸では、人と自然が調和しながら共に生きている様子も目に留まります。
留学して、環境や視点が変わると、小さな幸せを見つけることはよりやすくなり、考え方もより豊かになりました。
昔の私は、「自分はどうすべきか」「どうすれば正しいのか」といつも悩んでいました。でも、留学中に学校やアルバイト先、旅先で出会った人々と話し合う中で、ある大切なことに気づきました。それは、「自分がどうすべきか」と自問する前に、「自分がどのように生きたいか」を問い直す必要があるということです。今の私はまだこの質問に答えることができませんが、答えられる日が来るように、この一年間の留学生活から得た経験や知識を活かして、これからもその答えを探し続けたいと思っています。
特に自分の視野を広げたのは、言語学以外の、ほかの分野の授業にも挑戦したことです。自分は日本語専攻なので、母校では多くの場合、日本語や日本に関する知識を学んでばかりいました。しかし、留学をきっかけに、私は心理学・倫理学・景観文化財学など、全く異なる分野の授業も履修してみました。もちろん聞き取れなかったり、分からなかったりするころはたくさんありましたが、異なる研究方法や世界への見方に触れ、バラバラに見えた知識が、意味のある全体として秩序づけられていることに、私は面白さと価値を実感しました。
年末年始、年越しの時には、やはり皆さんと一緒に新しい年を迎えたいと思い、寮の近くにある五毛神社へ参拝に行きました。
除夜の鐘を鳴らした時、「いい音でしたよ」と神官の方に褒めていただきました。偶然というべきか、ラッキーというべきか、その日神社からいただいた干支財布の番号は私の誕生日(月と日)とは同じでした。本当に驚きました。「今年もきっといい年になる」と期待が高まりました。
そのため、ここでどんな写真を載せるかを考えたとき、神戸の風景にしようか、学校生活の様子にしようかと迷いました。でも最終的に、写真を撮ってくれた方への感謝の気持ちも込めて、地元の人々と一緒に年越しを迎えたときの写真を選びました。
まだ書きたいことがたくさんありますが、今回はこのあたりで終わりにしましょうか。残りの留学生活も心から楽しみ、これから出会う新しい物語を迎えにいきたいと思います。
これまでの留学生活を通して、私は「留学は世界を広げるための大切な鍵だ」と確信しました。
留学は、間違いなく語学力や異文化理解力を高める機会です。これは、個人の視点から見た「広がった世界」だと思っています。しかし、それ以上に大切なのは、さまざまな「過去」を持つ人々と出会い、交流する中で、新たな価値観や視点が生まれることではないでしょうか。
人はそれぞれ異なる経験や体験を持っているからこそ、対話の中で新しい発見や感情が生まれます。これは、単なる個人の視野を広げるにとどまらず、地域・国家・文化といったレベルでも、知らず知らずのうちに世界を広げているのだと私は感じています。
「ああ、そういうことか」「なるほど、知らなかった」――そんな気づきの瞬間は、この一年間で数え切れないほどありました。たとえば、震災や多文化共生の背景から生まれた「やさしい日本語」、バイト先で耳にした午後の「おはようございます」、そして、日本で初めて授業を受けたときに出会った、定年後に学び直しをされている先輩方など、どれもが私に新鮮な驚きと深い学びを与えてくれました。
特に印象に残っているのは、「日本社会文化論演習」の期末課題です。大学での共通の経験を持ちつつ、それぞれ異なる文化的背景を持つ私たちは、「今、自分の生活にはどのような課題があるのか」「それをどう改善できるか」といった問いを、自然と意識するようになっていました。互いに話し合い、意見を交わしながら、「自分には何ができるのか」を真剣に考えるきっかけになりました。
一人ひとりの成長、地域の発展、国家の進歩――そのすべてにおいて、「意見を交わすこと」は欠かせない営みだと強く実感しました。この経験を通して、私は「語学を学ぶこと」の本当の意味を見つめ直すようになりました。現代はさまざまな通信手段が発達していますが、やはり「直接話すこと」は最も効果的で、そして相手の心と心を通わせるために大切な手段だと感じています。言葉には、相手に寄り添い、気持ちを動かす力があるのだと深く感銘を受けました。
これからは、相手の気持ちをより深く理解し、自分の思いをより的確に伝えられるように、語学の勉強に一層励んでいきたいと思っています。