HUMAP  兵庫・アジア太平洋大学間ネットワーク Hyogo University Mobility in Asia and the Pacific

2024年度『派遣』

  • 氏名:土井 直哉 [ 日本 ]

  • 受入期間:2024年09月30日 ~ 2025年06月13日
  • 受入大学:エバーグリーン州立大学
  • 在籍大学:兵庫県立大学


留学のきっかけ、目的

私が長期で交換留学を志したきっかけは、大学2年生の夏休みに英国に語学研修に行ったことです。高校時代から漠然と「海外への憧れ」を抱いており、大学2年生の夏休みに思い切って3週間のプログラムに参加しました。現地生活はとても新鮮で衝撃的でした。はじめての海外生活で英語が全く聞きとれない点はもちろん、慣れない食事や生活環境に適応するのに時間がかかりました。しかし新しいコミュニティに入ったことで新しい友達ができたり、ホストファミリーにたくさんの観光地に連れて行ってもらったり、現地の学生と交流することができたりと私にとって忘れられない思い出が数多くできました。日本に帰国してから「実際に現地の学生と生活することでその国の文化や歴史を学びたい」と思うようになり、そのためには長期での留学が必要不可欠であると考え、交換留学に行くことを決意しました。しかし当時の私は体育会の硬式庭球部に所属しており、部活動も最後までやり遂げたかったため、大学4年生の秋から留学に行くと決意しました。私の交換留学の目的は上記でも触れましたが、「現地の学生と共同生活を送ることでその国の生活や文化、歴史を肌で学びたい」というものです。現地に生活してみないとわからない国や土地のしきたりや慣習はもちろん、現地の学生とディスカッションを通して様々な考え方に触れることで自身の視野を広げたいです。一度日本を離れ、客観的な視点で多角的に学ぶことで、日本の良さに改めて気づくことができたら幸いです。

留学中の体験

交換留学開始直後は、日常生活や授業のすべてが英語で行われることに圧倒され、買い物ひとつ、課題提出ひとつとっても、日本であれば何気なくこなせていたことに時間と労力がかかりました。例えば、授業内でのディスカッションでは話のスピードについていけず、最初はほとんど発言できませんでした。しかし、同じ授業を受けていた現地の学生が声をかけてくれ、授業後に内容を補足してくれたり、一緒に課題を考えてくれたりするうちに、少しずつ自信を取り戻すことができました。次第に、自分の英語力や意見に自信を持てるようになり、授業内でも積極的に発言できるようになりました。特に、セミナーでは、学生とディスカッションする中で「あなたはどう思う?」と意見を求められる機会が多く、黙っているよりも自分の考えを伝え、他人の考えを聞くことでこそ、学びが深まることを実感しました。 また学内で開催されていたさまざまなイベントに積極的に参加することで交友関係の構築やさまざまなことに対して知見を広げました。例えば、地域社会に根付いた歴史や、先住民文化、LGBTQ+に対する理解の深さなど、日本とは異なる社会のあり方を肌で感じ、視野を大きく広げることができました。

留学の成果、将来の目標

今回の留学を通じて、私は人間的にも大きく成長することができました。多様な人種や価値観をもつ人々と生活し、学ぶ中で、「失敗は悪いことではなく、挑戦の一部である」という感覚が自然と身につきました。何かに悩んでいるときも、学生や教授の方々が「あなたがそう思うなら、やってみればいいじゃない」と背中を押してくれることが多く、失敗に対する敷居の低さを感じました。そのため、多くの人が自分の考えを自由に行動に移しており、私自身も「正解は一つではなく、いくつもあっていい」と心から思えるようになりました。また、多民族国家という環境では、「空気を読む」ことが通じない場面も多く、自分の意見をしっかりと言葉にして伝えることの大切さを実感しました。授業では、異なる背景をもつ学生同士が活発に議論を交わす中で、勇気を出して自分の考えを発言することが、他者との理解や信頼関係を築く第一歩であると深く学びました。一方で、外から日本を見ることで、日本の良さにも改めて気づくことができました。今後はこの経験を活かし、グローバルな環境でも活躍できる人材を目指したいと考えています。多様な価値観を受け入れつつ、自分の考えを自信を持って伝えることを意識しながら、より広い視野で行動していきたいと思います。