HUMAP  兵庫・アジア太平洋大学間ネットワーク Hyogo University Mobility in Asia and the Pacific

2024年度『派遣』

  • 氏名:M.M. [ 日本 ]

  • 受入期間:2024年08月20日 ~ 2025年05月09日
  • 受入大学:セントマーチンズ大学
  • 在籍大学:武庫川女子大学


留学のきっかけ、目的

私は大学入学前から交換留学に興味がありました。交換留学を通して、外国の方とのコミュニケーション方法を学び、世界中の人に配慮できるような人になりたいと考えています。将来はキャビンアテンダントになることが目標です。キャビンアテンダントに限らず、グローバル化が進む現代では英語力が必須となっています。
この目標を持つきっかけになったのは、バレエの先生の存在です。先生はオーストリア出身で、レッスンはすべて英語でした。私はその先生の影響で英語に興味を持ち、必死に勉強を始めました。最初は先生の話す内容がまったく分かりませんでしたが、次第に理解できるようになり、言葉が通じる楽しさを実感しました。今ではリスニングはほぼ完璧に理解できるようになりましたが、自分の意見を英語で伝えることにはまだ苦戦しています。
日本の英語教育はスピーキングに力を入れていないため、日本人にとって英語4技能の中でスピーキングが最も難しいと感じます。そんな中、武庫川女子大学のアメリカキャンパスを訪れた際、実際に外国人と話すことがバイリンガルへの近道だと確信し、再びアメリカへ行きたいと強く思いました。その気持ちをアメリカ人の友人であるキャシーに伝えると、当時TOEICスコアが570点だった私に、「あなたなら絶対できる」と励ましてくれました。
日本に帰国後も毎日勉強を続け、その成果を彼女に報告しました。最終的にTOEICスコアが700点を超えたとき、キャシーは自分のことのように喜んでくれ、私の再渡米を心から応援してくれました。
私がアメリカにこだわる理由は、アメリカ英語が日本人にとって馴染みがあり、世界的にも多くの人に使われているからです。また、セントマーチンズ大学にはアジア学生同盟があり、多様性を大切にする大学の姿勢にとても共感しました。アジア人が差別を受けることもある中で、こうした多様性を尊重する環境は、私にとって非常に重要なポイントです。
交換留学中は異文化理解を深めるために、勉強にも全力で取り組みます。留学すること自体に満足するのではなく、自分から学ぶ姿勢を忘れずに過ごしたいです。そして、帰国後は国籍・性別・年齢に関係なく、すべての人に配慮し、思いやりを持って接することができる人になりたいと考えています。

留学中の体験

ずっと夢見てきた留学生活。そして、セントマーチンズ大学での時間は、私の人生の中で最も貴重な経験のひとつになりつつあります。この交換留学を通して、私は英語だけでなく、異なる文化や価値観を理解することの大切さを学んでいます。
アメリカに来る前に、私はひとつ目標を立てました。それは、日本人同士で固まらないことです。同じ言語を話し、同じ文化を共有している日本人と一緒にいるのはもちろん居心地が良いですが、もしその環境に甘えてしまったら、英語力は伸びないし、せっかくの異文化を本当の意味で体験するチャンスを逃してしまうと分かっていました。
恥ずかしがり屋で、初めの1学期は苦労しました。間違えたら恥ずかしいという気持ちから、ニコニコして話を聞いているだけになっていました。しかし次第に、「完璧に話すこと」よりも「伝えようとすること」のほうが大切だと気づきました。
もちろん、辛い時もあります。英語で自分の気持ちをうまく表現できないときは、悔しくて孤独に感じることもあります。つい楽な方に流れて、日本人と過ごしたくなる時もあります。それでも、私はいつも最初の目標を思い出して、日本人以外の友達と話す努力を続けています。アメリカ人の友人キャシーがいつも言ってくれていた「大丈夫、頑張って」の彼女の言葉に背中を押されて、私は間違いを気にせずに会話を楽しめるようになってきました。
この留学生活を続ける中で、私は英語以上のことを学んでいます。自立すること、異なる価値観を尊重すること、そして自分の殻を破って一歩踏み出すことの大切さを学んでいると実感しています。日本に帰ってからも英語の勉強を続けて、この経験を、これから留学したいと思っている学生に伝えたいです。
この経験を通して、私は言語は壁ではなく、架け橋だということに気づきました。どこの国から来たとしても、一歩踏み出してコミュニケーションをとる勇気さえあれば、きっと繋がることができると信じています。

留学の成果、将来の目標

9カ月の交換留学を通して、私は語学力だけでなく、自分自身の在り方について深く考える機会を得ました。留学前から「世界中の人に配慮できる人になりたい」という目標を持ち、キャビンアテンダントになるという夢に向けて努力してきましたが、この留学を通して、その思いはより強く、より具体的なものへと変わりました。日本での生活では、家族や友人、慣れ親しんだ環境に囲まれて過ごしていたため、自分の内面と深く向き合う機会は多くありませんでした。しかし、異国の地で一人の生活を始めたことで、何を大切にしたいのか、どんな人間でありたいのかを考える時間が自然と増えていきました。言語の壁や文化の違いに直面し、時には孤独や不安を感じることもありましたが、そうした経験を通じて、「困難にどう向き合うか」はすべて自分次第だと気づきました。うまくいかないときに誰かのせいにせず、どうすれば状況を変えられるか、自分にできることは何かを考え、実行する力が少しずつ身についていきました。また、さまざまなバックグラウンドを持つ人々と関わる中で、「違いを恐れず受け入れる柔軟さ」も育まれました。正解が一つではない世界で、多様性の中にある豊かさや可能性に気づいたことは、今後の人生において大きな指針になると思います。この留学生活は、語学や知識だけでなく、「自分自身を知る」という意味で、かけがえのない経験となりました。将来、キャビンアテンダントになれた際には、さまざまな国籍・文化・背景を持つお客様と接することになると思います。そのとき、今回の留学で培った柔軟な姿勢や多様性への理解を生かし、どんな人に対しても思いやりを持って対応できる人でありたいです。そして、言語を通して人と人をつなぐ「架け橋」となれるよう、これからも学び続けていきたいと考えています。