HUMAP  兵庫・アジア太平洋大学間ネットワーク Hyogo University Mobility in Asia and the Pacific

2022年度『受入』

  • 氏名:Chamchong Pobsook [ タイ ]

  • 受入期間:2023年01月30日 ~ 2023年03月01日
  • 受入大学:神戸女子大学
  • 在籍大学:チェンマイ大学


留学のきっかけ、目的

海外共同研究の理由と目的

今回の兵庫県での共同研究実施前より、神戸女子大学の野口和美教授と、複雑化かつ解決には難しい問題における自治体、非営利団体及び女性の役割について共同研究を行っていた。私たちの共同研究の事例研究対象を兵庫県とした。その理由は、兵庫県は、減災政策及び実施の長い歴史をもっていること、そして自然災害への脆弱性に対応する中で政策が発展してきていることである。
兵庫県は、減災政策及びレジリエンス構築においてリーダーシップを発揮し、日本の防災マネージメント政策全体策定においても重要な役割を果たしている。更に、災害への準備や災害対応に強力なコミットメントを表しており、減災政策において、グローバルなリーダーシップを発揮している。従って、災害及びCOVID-19の状況に関するガバナンス制度を分析することによって、COVID-19を災害の一つとみなしつつ、他の状況における政策策定及び政策実施に貢献することが出来る。
兵庫県でのフィールドワークの実施目的としては、現実の生活上の事例に関して理解を深めることがあげられる。本調査結果は、他国に限らず、他の政策においても、効果的な減災政策及びCOVID-19対策に貴重な洞察を加えることになる。


留学中の体験

海外共同における経験

まず、はじめに、兵庫県に今回の調査助成について感謝を申し上げたい。更に、神戸女子大学には、温かく歓迎されたことに感謝を申し上げる。また、客員研究員として研究する機会をくださった野口和美教授と共同研究が出来たことに感謝申し上げる。
今回の滞在中には、データの収集のためにフィールドワークを行い、私たちの調査研究目的を果たすという貴重な機会を持つことができた。様々なアクターを代表し、資料や情報をもっているキーパーソンとの聞き取り調査、現場の視察、会議の観察を行った。例えば、阪神淡路大震災記念館を訪れ、どのように兵庫県が災害と向き合ったのか学ぶごとが出来た。明石市役所の防災政策課及び男女参画局課長に聞き取り調査を行った。更に、神戸国際コミュニティーセンタにて、COVID-19禍においての外国にルーツをもつ人々への支援や地域住民への減災対応能力向上における役割について説明を伺った。兵庫県立男女参画センターへの聞き取り調査では、特に災害時やCOVID-19禍の女性支援における役割について理解を深めることができた。フードバンク関西では、特に、COVID―19禍の脆弱な立場の人々を支援する役割について聞き取り調査をおこなった。更に、港島地区の防災会議を視察し、減災におけるローカル・コミュニティの役割についても学ぶことが出来た。以上のような経験は、大変貴重であり、対面でなければこのように理解を深めることは難しかったであろうと考える。

留学の成果、将来の目標

海外共同研究の目的の達成及び今後の課題

滞在期間の最終週には、資料、聞き取り調査及び視察をもとにした主要な調査結果について議論することになった。自治体、公共組織、NGO、ローカル・コミュニティ、アカデミアなど様々なアクターが、災害やCOVID-19に協働して対応してきたことが明らかになった。この状況は、ネットワーク・ガバナンスそのものであり、政府が更に社会的アクターに依存して政策目標に達成することになっている。災害やCOVID-19のような複雑な課題は、効一組織が単独で効果的に対応することはできず、公共政策の実施については様々なアクターのネットワークが必要不可欠となる。
今回の共同研究プロジェクトの結果は、特にローカルレベルでの減災政策における様々なアクターの役割や相互関係に関するネットワーク・ガバナンスの促進に寄与する。本調査を基本とした知識は、タイ及び日本の両国の政策や実践に活用することできるが、更なる人を中心とした政策デザインを取ることが、今後の研究発展の主要な点である。