HUMAP  兵庫・アジア太平洋大学間ネットワーク Hyogo University Mobility in Asia and the Pacific

2017年度『受入』

  • 氏名:S. Y [ 中国 ]

  • 受入期間:2017年10月01日 ~ 2018年08月08日
  • 受入大学:神戸大学
  • 在籍大学:中山大学


留学のきっかけ、目的

留学のきっかけ:
 私が日本について興味を持ち始めたのは、高校二年生の頃でした。夏休みにたまたま見たアニメがきっかけです。それから、暇な時よくアニメを見ました。また、日本文化に関する本もよく読みました。日本という国に不思議な魅力を感じて、もっと日本のことを知りたいと思って、それに導かれるように日本語を習い始めました。日本語を勉強しているうちに、少しずつ日本のことについて理解を深めていきます。でも、先生や先輩の話では、本当の日本を知るためには、実際に日本で生活し、自分の目で見る必要があるものです。「百聞は一見に如かず」と私も強く感じ、留学を決意しました。

留学の目的:
1、日本語力を高めること
 授業の時間のみならず、日常生活でも日本人と話すことができるようになります。そのうえ、積極的に周りの人と付き合い、コミュニケーション能力を伸ばそうと思います。
2、日本も中国もより深く理解すること
 日本社会を自分の目で見、耳で聞き、また、日本人との付き合いによって、お互いに自分の国のことを相手に伝わることで、日本だけでなく、中国のことについてもをより深く理解するようになれると思います。
3、将来の進路を決める時の参考にすること
 今は将来の進路に迷っています。大学を卒業した後、就職したいとの思いを持っていますが、日本の大学院で修士課程を修めようと考えることもあります。この一年の交換留学で、日本の大学での生活などを体験することで、自分の本当にやりたいこと、自分に向いていることを探し、そして見つめようと思います。
 以上の三つの目的に向かって、留学生活を過ごし、頑張っていきたいと思います。

留学中の体験

光陰矢のごとし。去年の9月の末から神戸に来て、早5か月が経ち、最初の学期を終えました。現在のところ、ここでの生活に多少慣れてきたので、心情が安定していて、留学生活が順調に進んでいると思います。
 授業に関しては、日本語の授業の内容は大体聴解、語彙、文法など、国の大学とはほぼ同じですが、先生たちはテキストのみならず、日本のさまざまなことも教えてくれました。日本語を勉強するというより、むしろ日本文化を勉強する授業だと言えるように思います。それに、異文化交流の雰囲気も漂っていると感じました。各国からの留学生が集まっているので、一つの文化については、先生は各国の学生に聞き、比べてみることができます。そこで、いろいろなことを勉強してきました。
学部の授業は日本語と日本文化の勉強のため、言語学、日本史と日本美術などの興味のある違う専門の授業を履修しました。言語学の授業は主に教科書通りに行われたから、よく予習すれば大体理解できますが、日本史と日本美術の授業は教科書がなかったばかりか、今まで耳にしたことのなかった難しい学術用語が日本語で飛び交い、先生の喋った日本語が関西弁で、前に自分の国で習った共通語と違っているなどのせいで、精一杯聞いても全然わからないことがよくありました。自身の勉強不足と日本語能力の不足をとても痛感しました。レポートを提出したり、持ち込み試験を受けたりして、なんとかできたようだと思いますが、本当に大変でした。授業を選ぶ際には、先生の日本語の分かりやすさがとても重要であると感じました。来学期の履修登録を真剣に考えなければなりません。また、前は発表に自信がなかったので、演習の形式で行われる授業を避けましたが、今は日本語の練習と自分のプレゼンテーション能力の向上のため、一度挑戦してみないといけないのではないでしょうか。
 日々の生活に関して、授業以外、暇なときは息抜きとしで寮でゆっくりしたり、買い物や食べ物に行ったり、友達と話し合ったりするというメリハリのある生活ができています。休みの日はよく遊びに行ったりして、今まで神戸市内、京都と大阪はだいぶ回りました。この春休みも東京へ行って、5日間滞在して、いろんな場所を訪ねました。関西と関東の違いにも少しでも触れたことは私にとって良い経験です。たとえば、エスカレーターの乗り方について、東京では左側に立ち、関西では右側に立ちます。レストランでうどんを注文したいと思って、「おうどん」を「ど」のところに下がって発音しましたが、店員は最初が何かとわからないみたいでしたが、最後は「おうどん」を平たく発音して、私に二回も確認しました。ということから、方言のアクセントの違いとその違いから生じることをひしひし感じました。たくさんのところを旅行することも日本文化の勉強になると考え、旅行の経験は味わい深いです。これからも奈良や九州や北海道などへ遊びに行きたいと思います。
 他に、日本美術の授業をきっかけに、京都国立博物館でやっている「国宝」特別展覧会なども見に行ってきました。国宝などの以前に全く鑑賞しなかった作品の素晴らしさを体感でき、実物を見るのは大きな収穫だったと思います。おまけに、展覧会を見に行くことは日本文化の勉強にも役に立つと考えられるので、これからは時間があれば、いろいろな展覧会を見に行って、日本文化の勉強に励みたいと思います。また、こうべまちづくり会館で落語を聞いたこともあります。観衆に私のような若者がほとんどいなかったし、それほど面白くありませんでしたが、生で日本文化をいろいろ体験し、日本に来て本当に良かったと思います。
10か月の留学生活は残り半分ということで、これからも日々を大切にして、勉強に励みつつ、日本文化をよりよく学びたいと思っています。

留学の成果、将来の目標

留学の成果:
留学当初の目標として、私は以下の三つを挙げていました。
①日本語力を高めること、②日本も中国もより深く理解すること、③将来の進路を決める時の参考にすること
これらの目標はおおむね達成されたと思います。
まず、①について、11か月間の日本語による留学生活により、日本語で講義を受け、課題やレポートを提出し、試験を受けるという一連の経験から、留学する前と比べ、語学力や思考力といった力がかなりついたことを実感しています。
②について、授業を通して、日本語や日本文化についての理解がより深まりました。そして、日本にいる間、落語を聞いたり、展覧会や花火大会を見に行ったり、旅行したりして、生で日本文化をいろいろ体験し、勉強しています。日本のことについては確実に深く理解してきたと感じます。日本のみならず、留学中、何度も中国について様々な質問をされましたが、実際それらは自分が普段何気なく過ごしている中で見落していた部分であり、正確に答えることができず、歯がゆい思いをしました。あとはネットで調べ、自分で考えてみて、答えが見つからなかった場合も多いですが、それを繰り返しているうちに、母国たる中国のことについても次第によくわかるようになってきました。
③について、この11か月間の交換留学で、自分の本当にやりたいこと、自分に向いていることは見つめました。今はもう迷わず、大学を卒業した後、就職したいと思います。
将来の目的:来学期から四年生になります。語学力は上達したとはいえ、まだまだアカデミックなレベルに達していないのでこれからも継続して学習するつもりです。また、卒業論文では神戸大学で言語学の授業で学んだことをもとにテーマを取り上げ、良い論文が書けるように、頑張ります。最後に、卒業後は日本に関わる職業で、自分の留学経験と語学力を活かせる仕事に就きたいと思います。