HUMAP  兵庫・アジア太平洋大学間ネットワーク Hyogo University Mobility in Asia and the Pacific

2022年度『受入』

  • 氏名:S. Y. [ 韓国 ]

  • 受入期間:2022年04月01日 ~ 2023年02月01日
  • 受入大学:武庫川女子大学
  • 在籍大学:韓南大学校


留学のきっかけ、目的

私が留学を通じて果たしたいことは、大きく分けて二つあります。一番目は日本語の上達です。上達の基準が曖昧だと思われるかもしれませんが、自分なりの基準を決め、他の人に日本語を教えられるレベルを目指しました。現在は、「日本語がうまい」ということと「日本語を教えることがうまい」ということが全然違う話であることが分かりましたが、基準を変える気はありません。なぜなら、日本語が教えられる人は絶対日本語がうまい人に間違いないからです。
二番目は日本語の教師としての資質向上です。私は日本語と共に、教育学の勉強を並行しています。元々今年教育実習が予定されていましたが、新型コロナウイルスの影響で今まで閉っていた留学の道が開き、選択の岐路に置かれることになりました。悩み続けたあげく、留学を選びました。教育実習を見送り、少し卒業が遅れることになるとしても、留学は後悔のない選択になるはずです。何より留学経験がある先生と経験がない先生が生徒に伝えられる知識などの深さはまったく違うと思います。この度、留学経験を通じて自ら得られたものに基づき授業を構想すれば、さらに豊かな授業になるでしょう。

留学中の体験

 日本に来てから、時間の早さに驚く日々を過ごしております。この楽しい留学生活が、もう半年も残っていないことに気が付く度、凄く悲しい気持ちになるのですが、ちょうどこの時点で自分の留学生活を振り返り、より有益な1年のため工夫するのは、とても大事なことだと思います。
 まず日本語についてです。私は元々日本語が専攻なので、コミュニケーションの問題で苦労することはあまりなかったです。それで油断したのでしょうか。7月のJLPTの語彙パートで酷い点数を取ったのです。幸いにも合格ラインには達しましたが、これを機に日本語の表現の勉強が足りないことに気が付きました。私はいつも自分が慣れている表現だけを使っていて、状況によって違う言い方をしようとしなかったです。また「せっかく日本に来たから、日本語は現場で学ぼう」と考えて、机の前に座って新しい表現を覚える時間がめっきり減ったのです。現場で日本語が学べるのは、私が留学に来ているからこそできる貴重な経験であることに違いないですが、ただ日本に暮すだけで日本語がぺらぺらになるわけではありません。これからは人との勉強と本との勉強と両方のバランスを取りながら、さらに日本語の実力をあげるため頑張りたいと思います。
 しかしもっと重要なのは、勉強と遊びのバランスです。ここから電車に乗って15分行けば梅田で、20分行けば難波です。平日でも授業終わりに行ける距離ですし、あちらには楽しく遊べるところがたくさん集まっていて、よく遊びに行きました。他にも、好きな歌手が兵庫でライブをしたので行ってきましたし、友達が誘ってくれて生まれてはじめてファッションショーも見てきました。最近は淀川花火大会に行って、美味しいものを食べながらきれいな花火を見ました。写真は屋台で買ったかき氷です。残りの留学生活も元気で楽しく過ごしたいと思います。

留学の成果、将来の目標

この留学で一番うまくなった日本語能力は、聞き取りです。日本に来たばかりの時は日本人としゃべっていると、相手の話すスピードが速くてよく聞き取れなかったです。相手は普通の速さで話しているはずですが、教科書の音声ファイルだけで聞き取りの練習をしてきた私には、まるでラップのように聞こえました。二人で話している時は「もう一度言って」とお願いすれば良いですが、みんなでおしゃべりしている時はなかなかお願いできませんでした。これを乗り越えるため、まずは一つのテーマを決めて会話する練習を始めました。テーマが決められていると大体何を話すのか予測できるので、一つ二つの単語が聞き取れなくても会話が続けられます。また日本のドラマを見ながら、ネイティブの速さに慣れるよう努力しました。その結果、いつの間にか少し速い日本語であっても明確に聞こえるようになりました。
  最近は店の人ともうまく会話できるようになりました。店員は敬語を使うため、最も会話の難しい相手でした。それに店の中は音楽が流れていますし、他の客の話し声が重なり、店員の声がよく聞こえません。最初は何度も聞き直したり、理解したふりをして答えたりしましたが、今は少し集中すれば店員が何を言っているのかすぐに分かります。領収書の値段に間違いがあった時も、予約の画面に問題が生じて入場できなくなった時も、店員と話してすぐ解決できました。
 帰国後は、留学経験を活かして色々な活動に挑みたいです。一番したいことは、私の大学へ来た留学生の韓国語パートナーになることです。留学が終わっていく今一番お礼を言いたい人は、私の日本語パートナーたちです。彼らは話し相手になってくれたり、発表の準備を手伝ってくれたり、面白い場所に連れていってくれたりしました。写真はパートナーたちと清水寺で引いたおみくじです。二人は私の心強い仲間でした。そのため今度は私がパートナーの役割になり、他の留学生を手伝ってあげたいです。さらに、留学の経験がある私だからこそお手伝いできるものがたくさんあると思います。私が助けてもらった分、私も誰かのために役立ちたいです。
  また、留学を通じて新しく興味ができたものもあります。それは敬語です。おそらく店員の話をきちんと聞こうとした努力から、知らず知らずのうちに関心を持つようになりました。大学を卒業したら、ワーキングホリデーでまた来日し、アルバイトをしながら敬語の使い方を学ぶつもりです。これからも大好きな日本語の勉強を頑張って続けていきます。