HUMAP  兵庫・アジア太平洋大学間ネットワーク Hyogo University Mobility in Asia and the Pacific

2021年度『派遣』

  • 氏名:田中 雄大 [ 日本 ]

  • 受入期間:2022年02月28日 ~ 2022年12月16日
  • 受入大学:韓国航空大学校
  • 在籍大学:神戸学院大学


留学のきっかけ、目的

 韓国への留学は私の大学生生活の中で、何としても成し遂げたい目標のひとつでした。
その理由として、大学進学時に掲げた「何か大きな目標を達成するという」テーマが関係しています。
社会人前最後の貴重な4年間と言う時間を有意義に使うためにも、何かひとつでも収穫が欲しいという思いがありました。
 その中でも、高校時代より好奇心から勉強を進めていた韓国への留学を大きな目標に掲げ、生活を送ってきました。日本からでも韓国の文化や言語は簡単に知ることが出来ますが、教科書やネットだけでは知ることの出来ない、本物の韓国を知りたいと思いました。そのためにも、現地での生活を通して韓国の人とふれあい、韓国の空気を吸いながら生活をすることで、本物の韓国を知ることができると感じ留学を決心しました。
 韓国での留学生活の中で学びたいことは多くありますが、1番は韓国の人々の考えや人間性を知ることです。これを知ろうとする事で、自然と言語についても学習することが出来ると考えています。また、実際には韓国人は色々な方面から日本のことをどう思っているのかも知りたいと思っています。このような機会でないと知ろうとも思わないことを、勇気をもって知ろうとしたいと思います。
 そして、私は韓国航空大学校の経営学部へ留学するので、日本とは経済の仕組みが異なる韓国の経営学について学び、日本と韓国の違いを専攻分野の観点からも比較していきたいと思います。
 また、留学を通して、人としての殻を破りたいと思っています。異国の地で生活をすることは、多くの間違いや失敗に直面することでもあると思っています。そのような時でも、間違い、失敗を恐れずにチャレンジ精神をもって積極的に自発的に挑戦することで、人の目を気にせず、やりたいことを行動に移せる人になりたいと思います。
 他にも、留学生活の中では、現代においては重要な「多様性」という感性も養いと思っています。母国とは違う国で、全く異なったバックグラウンドを持つ人々と交流することで、「多様性」を受け入れ理解するという、これからの世界で生きていく上で必ず重要になってくる感性を養いたいと思います。やりたいことはたくさんありますが、時間は限られているので、果敢に積極的に行動していきたいと思います。
 また、これらの目標を達成することで、初めて「留学をしたことで収穫、学んだことがあった」と言えると思うので、頂いた貴重な期間全力で挑戦したいと思います。

留学中の体験

 韓国へ留学で来てから早くも5か月が経ちました。韓国での留学生活は想像していたよりも遥かに刺激的で魅力的で毎日が一瞬で過ぎていく感覚です。私が留学を決心した理由は「ネットでは知ることのできない本物の韓国を知りたいから」でした。実際に韓国に来て韓国人と環境で生活をする中で、韓国のほんの一部しか知ることはできていないとは思いますがたくさんのことを学ぶことができています。たくさんのことを学ぶことができている大きな理由としては、私が大学の野球部に参加したことが関わっていると思います。
 縁があり、小学生のころから現在も続けている野球を韓国でもできることになりました。チームは初心者も経験者も一緒に活動しており、1週間に2,3回練習や試合をしています。野球部に参加し始めた頃は全員日本語が通じないメンバーの中で一緒にプレーできるのか心配なこともありましたが、メンバー全員が私にとても優しく、フレンドリーに接してくれたおかげですぐにチームに馴染むことができました。また練習中は初心者の仲間がプレーについてわからないことがあると私に積極的に尋ねてくれます。こんな時は自分の語彙力を最大限使ってアドバイスをする機会をしますが、伝えたいことは明確にあるのにうまく言葉で伝えることができない時に自分の無力感を感じるとこもあります。しかし、スポーツは国境を越えると言われるように全身を使ってコミュニケーションをとることで言葉の壁を乗り越えています。
 また、留学生活の中で野球をしなければ絶対に体験することのできないことをたくさん体験しました。例えば、自分以外全員韓国人という環境の中で野球の公式戦に出場することです。日本の野球との違いに戸惑うこともありますが、楽しく全力でプレーすることができています。また、野球の試合中に顔面を骨折し、韓国の病院を受診するという貴重な経験もしました。人生で初めての骨折大変なことも多くありましたが、骨折を韓国で経験すると言う普通なら中々経験できないことを体験できたことも野球をしてたからできたことで、よかったことだと思います。また、野球部の仲間と一緒に練習後にご飯を食べに行くこともとても楽しい時間です。自分は会話を理解することに一生懸命な時が多いですが、自分もみんなと同じご飯を食べながら楽しく会話することは、野球部に参加しなかったらできなかったことだと思います。
 大学の講義に関しては、前期は韓国語の講義のほかに専門科目の講義も受講しました。日本語でも難しい内容を韓国語で履修することは非常に難しいことも多かったですが、毎回工夫しながら受講して、すべての科目で納得のいく良い成績を修める事ができました。後期も専攻科目やその他の科目に関しても興味、関心のあるものを受講したいと思います。
 韓国語の実力は正直まだまだ不足しているので、引き続き語学力を伸ばせる場所にチャレンジ精神をもって参加していきたいと思います。帰国した際に留学前に立てた目標をしっかり達成できたと言えるように残りの留学生活も全力で取り組みたいと思います。

留学の成果、将来の目標

 約一年間の韓国留学が終わりました。今振り返ってみても韓国での生活は何もかもが新鮮で、新しい挑戦や経験の連続で一年間が本当に一瞬でした。
 留学前にいくつかの目標をもって留学に行きました。その目標の一つに「韓国の人々の考えや人間性を知ること」がありました。この目標を達成するために、留学期間中は常に主体的にアクティブな気持ちで活動してきました。
一年間を通して留学先大学の野球部に所属して一年間韓国人の学生と共に野球をしたり、ご飯食べたり遊んだり多くの時間を共に過ごしました。結果的にかけがえのない友人を多く作ることができ、野球の競技面でも大会で優勝するという結果を残すことができました。野球部に参加したことで、現地の韓国人大学生の実際の生活に密着して私も生活することで、言葉や遊びなどの流行を多く知ることができました。他にも夏休みに特急券だけを買って計画を立てずに一人で大邱に旅行するという挑戦もしました。韓国人からは観光地として人気がない大邱ですが、韓国人に人気がなくても日本人が行けば楽しいのではないか?という好奇心が湧き行くことにしました。旅行中は野球部の友達や大邱出身の韓国人の友達がオススメを教えてくれて、一人で散策するという旅程になりましたが、大邱の街並み、人の優しさは非常に思い出に残っており、韓国の都市の中で一番好きな場所になりました。他にも自分が日々気になった場所や物事があればそれらを知るために主体的に行動しました。それらの行動の中で感じたことは韓国人の人々の優しさです。いろいろなところで国籍関係なく優しく、親切に接していただきました。実際に韓国に行くと、日本のメディアで取り上げられているような日韓問題の壁はありませんでした。むしろ、日本に友好的、好意的な人々ばかりでした。しかし、日韓の政治的な課題がいまだに多く残っていることも現実なので、これらを解決するのは我々のような偏見を持たない若者の役目だと感じました。このように現地に行かなければ覆すことのできなかったイメージも変えることができました。
また大学の講義などのアカデミックな面に関しては、韓国語の講義ではなく、韓国語で講義をするという難しい環境の中で困難は非常に多くありましたがその分、語学的にも知識的にも非常に多くの学びがあり、成績に関しても友達の助けを借りながらなんとか良い成績を修めることができました。一つ悔いがあるとすれば、留学前に日韓の経営の違いを学びたいという目標を持っていましたが、実際は語学力が不足していたせいで日韓の違いまでを学ぶことはできませんでした。しかし、経営学や経済学の基礎講義を受講する中で日本の大学で学んだ知識が多く出てきたので、日韓共に経営、経済の学問的基盤は同じだということがわかりました。
一年を通して語学面では大きく成長することができました。韓国語で話すことへのハードルが低くなり、自分の持っている語彙力でうまく相手に伝える能力が身についたと思います。しかし、まだまだ私が話したいことを韓国語で表現することができないこともあるので、これからも継続的に言語学習は取り組んでいこうと思います。
今回HUMAP奨学金制度によって私の韓国での生活や挑戦の数々をサポートしていただきました。この場をお借りして御礼申し上げます。また、親元を離れて初めて自立した生活をする中で親の偉大さに気づく契機にもなりました。留学を全力で応援してくれた親にも感謝を伝えたいと思います。
今回の留学を通してネットでは知れない韓国、旅行に行っても知ることができなかった韓国をたくさん知ることができました。この留学で培った経験を活かすためにも次のステップに向けてさらなる挑戦を果敢にしていきたいと思います。
韓国での一年間の生活は人生において一番の思い出と経験になりました。