まず、私が台湾の長期交換留学に興味を持ち、実際に留学したいと思ったきっかけについて。
私は元々、英語力を高めるだけでなく中国語も使えるようになりたい、と思い本学のオープンキャンパスで英語とアジアの言語に特化した国際教養学科を訪れた。そこで、担当の先生から
オフ・キャンパス・プログラム(OCP)についての説明をしていただき、この台湾長期交換留学プログラムに興味を持った。
ここで、このOCPプログラムは様々な派遣先や期間がある中でなぜ台湾のプログラムに興味を持ったのか、元々、中国語を学びたかったこともあるが、私はジェンダー学やLGBT理解に興味があり、大学に進む中でそれらを学びたかった。台湾は世界的にもジェンダー平等の指数が高かったり、アジア圏の国で唯一、同性婚が法的に認められていたりと、ジェンダー学やLGBT、私の研究したいことにおいて理解が進んだ国であるため、実際に自分自身が現地で生活する中でこれらについて発見、理解を深め、また、どのように台湾ではジェンダー教育がされているかを参考に、日本でよりジェンダー学、LGBT理解を深めることが出来るか学びたいと思ったからである。
当初の予定より2週間遅れでしたが新型コロナウイルス流行が懸念され始めたころ、今まで見たことのないような人が全然いない空港を無事出発し、台湾の空港につきました。静宜大学の方たち学生や国際交流センター方たちが迎えに来てくださっていて、バスで空港から2時間ほどの場所にある大学へ向かいました。次の日はオリエンテーションや履修登録など初めからなかなかハードなスケジュールだったなと思い出しました。そしてその日の晩、初めて大学の近くのたくさん食堂が立ち並ぶ学生街で食事をしました。どのお店も魅力的で初めて入ったお店はおばちゃんが一人でやっている小さなお店で、牛丼のようなご飯ものが200円ほどで食べられるお店でした。最後お店を出る時に、“很吃饱了!”(とてもおいしかったです)と伝えると、おばちゃんが笑顔でまたおいでと言ってくれて、初日からすごく優しい気持ちになったことを思い出します。寮では料理が禁止だったので、基本的に大学の近くの学生街か大学内の食堂で毎食食事をしました。学食も食堂も1食3~400円もあれば十分な食事ができるようなお店ばかりでした。わたしの写真フォルダには台湾で食べたご飯の写真ばかりです。安くてボリュームもあっておいしいものばかりの台湾ですが、スーパーにあるようなお菓子や学校の近くにあったパン屋さんのパンは意外と日本よりも高かったりしてそれが不思議でした。
大学での授業はというと、月曜から金曜まで毎日3コマ留学生は中国語の授業があり、10人ずつ程のクラス分けがされていて、英語での中国語の授業でした。1年生の時に1年間必修クラスで週2回中国語の授業があり、私は元々、中国語を学びたくて国際教養学科の中国語を選択していました。静宜大学の中国語の授業ではもうすでに習った内容がほとんどではありましたが、簡体字と繁体字はこんなにも違うのかという発見があったり、他の国からもたくさん留学生が来ていて、彼らと仲良くなれたきっかけもこの中国語のクラスでした。中国語の先生はいつも朝から元気に挨拶してくださり、分かりやすいようにパワーポイントのスライドや歌を用いて授業を進めてくださり毎日楽しい授業でした。他の授業は、多元文化と中華文化の選択授業を受講していました。どちらも留学生向けの授業で、英語で行われます。私が滞在していた1か月半の間ではプレゼンテーションの準備に取り掛かろうとするところだったので、どちらの授業も最後まで受講して学びたかったです。
授業のない休みの日は、午前中のうちに台数が少なく取り合いになる洗濯機を勝ち取って洗濯をしてから友達とバスに乗って市街地の方へ遊びに行ったり、有名な逢甲夜市をはじめ学校の近くの夜市よりも少し大きな夜市へ行ったりしました。
そして、台湾留学中に、私が過去にブラジル留学をしていたときに同じ学校に通っていた台湾人の友達、ブラジル人で台中の近くに同時期に留学に来ていた友達と3人で会うことが出来ました。3年ぶりに会って3人とも成長していたこと、なんとなく間を取って英語で会話をしたこと、3年ぶりということを忘れるくらい充実した時間を過ごせました。
学校も台中の街もですが、コロナウイルス対策が万全に行われていて、どの建物も入る際の検温、マスクの着用は絶対でした。この頃の日本はまだ緊急事態宣言よりだいぶ前でウイルス対策もそれほどされていない時期でした。台湾で常にウイルス対策について聞いる時の危機感と帰国した時の日本の周りの人の意識の差を感じました。
本来なら2月の中旬から翌年の1月中旬までの約1年間の長期プログラムなのですが、世界的に流行しているコロナウイルスの影響で出発日の遅れ、早期帰国ということになりました。私が台湾で過ごしていたのはもう半年も前のことなのかとこのコロナ禍での月日の流れる早さにびっくりします。そして、帰国してからよく、本当に私は台湾の静宜大学で寮生活をし、授業を受けていたのか考えます。それほど1か月半の台湾での留学生活はあっという間でした。まだまだやってみたいと思っていたこと、台湾留学中に研究しようと考えていたこともあまり情報が集められないまま早期帰国となってしまい、正直に言うと台湾での留学生活に心残りがあります。もちろん台湾で大学生として過ごした1か月半は毎日毎日が濃く、たくさんの発見や短い期間でも自分自身の糧になったと思えることがたくさんあります。1年生のころに必修クラスで1年間みっちり中国語を勉強していて、まだまだ全然会話はできないと思っていましたが、なんとなく台湾では周りの人、ルームメイトや台湾の友達の言っていることが分かって、それがうれしくて、英語でと妥協せずどんどん中国語で会話をすることを心掛けていたので、間違った単語を話しても大丈夫という度胸がついたと思います。そして、初日から寮の移動や、寮の先生とのやり取り、ARCの取得やスマートフォンのSIMなど自分自身で現地の人と会話をして解決していかなければならないことが多く、想像していない出来事や少してこずることなど自分自身の対応スキルも上がった気がします。
私の今の一番の目標はもっとやってみないと分からない新しいことに挑戦して、自分の可能性を広げ、それを自分の将来につなげることです。今回の台湾留学で、意外とやってみれば自分1人にできることは多いと気付きました。それと同時に、人と協力することの大切さにも改めて気づきました。台湾留学での子の気づきを大事にして、胸を張って自分自身を主張できる大人になりたいと思います。
また海外に行くことが出来るようになるのはもっと先のことかもしれませんが、私はまだまだ台湾で行ってみたいところややってみたいことがたくさんあります。継続して中国語の勉強と台湾について調べて、留学中にお世話になった人たちに会いに行きたいです。たくさんの応援とご支援のおかげで台湾留学で身につけられたこと、発見できたこと、たくさんの新しい体験をさせていただきました。本当に感謝しています、ありがとうございます。