HUMAP  兵庫・アジア太平洋大学間ネットワーク Hyogo University Mobility in Asia and the Pacific

2018年度『受入』

  • 氏名:KWON Youngdae [ 韓国 ]

  • 受入期間:2018年04月04日 ~ 2019年02月04日
  • 受入大学:姫路獨協大学
  • 在籍大学:国民大学校


留学のきっかけ、目的

 私は自動車会社の生産技術パートでエンジニアとして働きたいという目標を持って、国民大学(韓国ソウル所在)機械工学科に進学しました。軍隊に行った後、復学し、2年生を終えた後に休学を決意し、学んでみたかった日本語の勉強を始めました。
勉強するにつれ、ますます興味を深め、JLPTを受験しN1にも合格しました。それから、実際、日本に行って、生活してみたいと思い、ワーキングホリデー(9ヶ月)ビザを取得し、来日しました。
 そこでの生活は、私に大きな影響を与え、また肯定的な変化をもたらしました。そして、日本で働きながら暮らしたいと思い、日本での就職を決意しました。その後、帰国し、日本学科の授業を受講した際に、交換留学制度について知りました。もし交換留学生として日本へ行けば、多国籍の大学生との交流、文化体験、また授業を日本語で受講することになり、現在よりももっと日本語力や人間力を向上させることもできるのではないかと思い、交換留学を希望しました。

 留学するにあたり、一番大切なことは、留学中に何を成し遂げたいか明確な目標があることだと考え、自分なりに目標を立ててみました。そして、その目標を達することができるいい環境が姫路獨協大学だと判断し、申請することにしました。結果的に様々なものを手に入れましたし、また、HUMAP奨学生にも選ばれ、経済的な援助も得られ、たくさんの経験を重ねることもできました。

 今回の交換留学で一番得たいと思っていたことは日本の就職のための質の高い日本語能力でした。私は留学前からJLPT N1の資格を取得していましたが、韓国で、日本語は頻繁に使用することが容易ではない言語であり、自分の専攻の勉強と日本語の勉強を両立していくことは大変難しかったです。そして、自分の日本語力がそれほど高くなかったため、もう少し流暢に話せるようになり、さらには、論文、新聞、コラム、小説などを滞りなくすらすらと読めるようになりたいという希望がありました。

留学中の体験

 私は今回の交換留学を通して日本語学習だけではなく、色々な文化体験をしてみたいと思っていました。実際に、大学内と学外で貴重な体験をすることができました。

 大学のクラスでは、各国から来た学生が集まって一緒に勉強しましたが、こういう機会は中々ないことだと思います。また、クラブ活動ではバスケットボール部とバンド部に入り、バスケットボール部では大会に参加したり、合宿に行って親睦を深めました。バンド部の活動としては学祭公演、老人ホームや障碍者活動支援センターでのボランティア公演、路上ライブ等をしました。学外活動は大学の国際交流センターから依頼を受け、姫路市国際交流フェスティバルでの韓国語講師ボランティア活動、兵庫県日韓ソフトテニス交流の通訳、姫路市立琴丘高校で行われた英語スピーチコンテストで、「私の母国について」というテーマでの発表等をしました。
 
 また、近所の小学校に行って韓国の文化を紹介したり、大阪サイエンスフェスタで通訳ボランティア活動をするなど、交換留学に来なかったら一生できない貴重な経験をしました。そして、様々な経験のお蔭で日本語力も伸び、留学前に抱えていた不安など、なかったかのように充実し、たくさんの日本人の友達と付き合って仲良くなることができました。
 実は留学中にもう一つやってみたいことがありました。私は留学後、帰国したら4年生になり、就職活動をしなければいけないので、交換留学中にインターンシップをしたいと思っていました。就職情報を得るために大阪、神戸で行われた説明会や企業博覧会等に参加したり、大学のキャリアセンターに相談した結果、夏休みの間、運よくトヨタ九州でインターンシップをすることができました。これは今回の交換留学で得た一番大きな収穫ではないかと思います。インターンシップ募集期間と学校の試験期間が重なり、面接日も重なってしまって合格するまですごく大変でしたが、先輩、後輩、先生に手伝っていただき、最終的に合格することができました。

 トヨタ九州は高級セダンを量産するトヨタ第2工場で、私は第1の生産技術部の成形技術室、成形グループに配属され、「バックドア接着剤の寸法のばらつきメカニズム解明」という実習テーマを与えられ、働きました。働きながらトヨタオリジナルのユニークな生産技術、生産ラインの構築法、生産システムについて多く学ぶことができましたし、手で触ったりするなど、本当に一生得られない貴重な体験と経験をしました。

留学の成果、将来の目標

 「達成感」というこの言葉が1年間の留学を終えた感想として、今の私に一番合う日本語だと思います。苦しんだり、悩んだり、喜んだり、楽しんだりなど全てひっくるめて、自分は留学を成し遂げたという気持ちでいっぱいです。振り返れば、留学前、たくさんの不安を抱えていました。帰国したら就職活動はどうすればよいのか、4年間で卒業することができるのか、母国から離れ、慣れない土地でやってゆけるのだろうか。不安を語ればきりがありません。ですが、私は誰よりも素晴らしい留学生活を過ごしたと言えます。そして、この経験から、今の私は、帰国してから何をしなければならないのかが明確に見えています。目の前にあることをひたすら必死にこなしてゆけば、どんな悩みも不安も、知らぬ間に解決することができました。留学は本当に人を大きく成長させるのだなと感じた一年間でした。

 最後に留学が終了するまで助けてくれた家族、国際交流センターの職員の皆さんと、先生、友人、留学中に出会った全ての方々、自分の留学生活が成功に終われるように金銭的な支援を与えてくださったHUMAP奨学金の関係者の方々にも心から感謝しております。本当にありがとうございました。これからは、留学で培った様々な能力を活かし、さらなるグローバル社会の中で活躍してゆきたいと思います。