HUMAP  兵庫・アジア太平洋大学間ネットワーク Hyogo University Mobility in Asia and the Pacific

2019年度『派遣』

  • 氏名:住元 美穂 [ 日本 ]

  • 受入期間:2019年02月19日 ~ 2019年03月18日
  • 受入大学:インドネシア大学
  • 在籍大学:兵庫県立大学


留学のきっかけ、目的

 私は将来、看護師として国内外問わず人々の健康や生活レベルの向上に貢献したいと考える。故に、留学において異国で展開されている看護や保健医療システムを現地で学ぶ事は、今後、様々な場所や状況下で看護がどのように活躍していけるかを模索できる絶好の機会であると考え、今回の留学を計画した。留学では、インドネシア大学看護学部の授業を聴講しながら、高齢者看護や家族看護、地域看護の専門教員のもと、地域住民の健康を担う保健診療所でのインターンシップを計画している。昨年も同様にインドネシア大学に2か月間留学し、私が日本で感じている健康に対する人々や看護師の考え方や宗教による価値観の違いが非常に印象的であった。今後、日本と同様に急速な少子高齢化が予測されているインドネシアで、欧米ではなく、アジアにおける家族や地域における個人の有様を、日本との共通点や相違点に着目しながら、新たな看護の観点や看護サービスについて学びたい。

留学中の体験

今週から、希望していた保健診療所でのインターンシップが始まった。医療設備や地域の公衆衛生等は決して行き届いているとは言えないが、インドネシア特有の人間同士の繋がりの強さと朗らかさを生かした独自の保健システムが上手く運用されている。村に住んでいる女性たちが保険診療所で教育を受け、村の中での健康診断を主体的に毎月運用している。村の人が皆あつまってきて、赤ちゃんから高齢者まで体重や身長、血圧や血糖値測定、栄養食の配給まで村を知り尽くした女性たちが役割を担っている。女性たちにインタビューすると「地域の人々の健康状態を良くできるのが嬉しい、楽しい。」という声が返ってくる。自分や他人の健康や幸せを素直に喜び、楽しんで村の人々の健康を向上するシステムがインドネシアにはある。日本とは発展状況が違うので同じ方法が日本に適しているかは分からない。しかし、途上国からも学ぶべきことは多くある。その土地にあった健康向上システムを、その土地の人々が気持ちよく運営し続けていけるようなサービスを生み出す視点が看護職には必要であると感じた。

留学の成果、将来の目標

今回の留学の成果は2点ある。1つ目は人間の結びつきや親切心が人々の健康を維持・向上するために大変有益であるということが再確認できたことだ。インドネシアは発展途上国ではあるが、互いに人を思いやる雰囲気があり、インターンシップではそれを生かした健康システムの一部を見ることができた。一方、我が国は先進国ではあるが人間同士の関係や思いやりという点は決して濃厚だとは言えないと私は感じる。環境が真逆のインドネシアでそれらを直接、見ることができて良かった。
2点目は、自分の長所に気づけたことである。インドネシアに留学するのは2度目であったが、現地の人々は本当に親切でフレンドリーなので友人がたくさんできると感じていた。しかし、彼女らから「あなたはフレンドリーだからすぐ友人を作れるね。話しやすい。」とよく言われるようになり、彼らだけでなく私自身も人と接することが好きだということに気づいた。日本では自分に自信がなく小さくなっていた私であったが、このような自分の長所もあったからこそ楽しく有意義な留学生活を送ることができたのではないかと自信を持つことができた。
将来の目標は、どのような形でも良いので自分が楽しいと思えることで世界平和づくりに貢献することである。まだ具体的に何をするかは決められていない。インドネシアに留学している間にも世界各地では戦争や特定の宗教信者を狙ったテロ行為等の悲しい出来事があった。直接それらの撲滅に関わることは難しいが、留学経験やこれから看護師として得る経験やスキルを持って、自分にしかできないやり方で世界に関わっていきたいと考えている。