HUMAP  兵庫・アジア太平洋大学間ネットワーク Hyogo University Mobility in Asia and the Pacific

2017年度『受入』

  • 氏名:ZNAD Hussein Tawfeeq [ オーストラリア ]

  • 受入期間:2017年12月20日 ~ 2018年01月25日
  • 受入大学:兵庫県立大学
  • 在籍大学:カーティン大学


留学のきっかけ、目的

私は、微細藻類を用いたバイオマス生産と汚水浄化技術開発について、菓子野准教授と数年にわたって共同研究を行ってきています。今回、微細藻のバイオマス回収技術向上に向けの適切な培養条件を決定するために彼の研究室を訪れることにしました。

留学中の体験

研究以外に、兵庫県立大学の理学部と工学部の学生を対象に、複数の講義を行いました。
1. 播磨理学キャンパスにおいて、大学2年生を対象に、「Influence of Atmospheric Pollution on Ecosystems(大気汚染が生態系に及ぼす影響)」というタイトルで講義を行った。
2. 播磨理学キャンパスにおいて、研究者、大学院生、を主な対象として、「Impact of microalgae and harmful algal blooms (HABs) on human health and the environment(有害藻類のブルームと微細藻類がヒトの健康と環境に及ぼす影響)」というタイトルで講義を行った。
3. 姫路工学キャンパスの1年生のサイエンス・サイトビジットに加わってSpring-8の見学を行った。
4. 播磨理学キャンパスの近くにあるこども園(たつの市立西栗栖こども園)にて、園児に英語でオーストラリアの文化を紹介するプレゼンテーションを行った。

留学の成果、将来の目標

2017年12月19日〜2018年1月24日の短い期間に、兵庫県立大学大学院生命理学研究科・菓子野准教授の研究室において、ふたつの異なる微細藻類(珪藻とシアノバクテリア)を用いて、実際の汚水を使って培養する技術開発可能性を追求した。汚水は、播磨理学キャンパスの近くにある播磨高原東汚水処理場の協力を得て採取したものである。シアノバクテリアは、汚水からリン酸と窒素分を効果的に除去するした(それらを増殖のために有効に利用した)。しかし、珪藻は、海産性のために人工海水を加える必要があった。さらに、シアノバクテリアは、汚水のみでバイオマスの生産を続けることができる事が見出された。これは、大量培養に向けて経済性を著しく向上させることに繋がる。さらに、1%の二酸化炭素を通気することによって、増殖と油脂の蓄積を強化した。
今回の成果は、追実験を行い、学術誌に投稿の予定である。
この短い期間の訪問は、オーストラリアのカーティン大学と兵庫県立大学の間の、より長期でより生産的な共同研究に発展していく端緒になるとても良い機会でした。次のステップとして、微細藻類の再生可能環境への応用利用を実現する努力を継続的に行うために、研究者(修士課程またはPhD課程)の交換を計画しています。
研究以外にも、日本の文化、伝統、教育システムに深い感銘を受けました。
これらのことから、私は今回の訪問を支援して下さった兵庫県ならびにHORN事業に大変感謝いたしております。