HUMAP  兵庫・アジア太平洋大学間ネットワーク Hyogo University Mobility in Asia and the Pacific

2025年度『派遣』

  • 氏名:K.Y. [ 日本 ]

  • 受入期間:2025年08月25日 ~ 2026年05月15日
  • 受入大学:ワイオミング大学
  • 在籍大学:神戸女学院大学


留学のきっかけ、目的

私の留学のきっかけは、海外旅行や留学生との交流を通じて、多様な価値観に触れた経験にあります。
小学生のときタイを訪れた際に、日本での常識が全く通用しないことに大きな衝撃を受けました。
飛行機で行ける距離にありながら、言葉も常識も考え方も何もかもが異なるという事実に幼いながら深い興味を覚え、それ以来異文化交流への関心を持ち続けてきました。

大学生になってからは、留学生の方々と話す機会が増え、日本にはない興味深い文化や見方に触れることができました。
同じ空間にいて同じ経験をしながら、世界の見え方が全く違うという事実に感銘を受け、このような経験から、大学生のうちに異なる文化環境で生活することで、将来の選択肢をより柔軟に考えられるようになるのではないかと思うようになりました。

また、私の留学の目的は、アメリカという異なる音楽文化を持つ場所で、音楽音響についての学びを深めることです。
幼い頃からテクノロジーを活用した音楽や芸術に強い興味を持っており、中学生の頃からパソコンを使用したミキシングや、音響特性を活かした楽曲制作に取り組んできました。これまで音響や音楽制作については独学で学んできましたが、留学を通じて、より専門的な知識や技術を習得したいです。
音楽や音声の流通においては、最先端の技術やアイデアの多くがアメリカから生まれており、そうした現場で使われている最新の録音技術やミキシング技術を実際の環境で学ぶことで、将来のキャリアに直結する実践的なスキルを身につけたいと考えています。

留学中の体験

留学中に一番印象に残った体験は、「コミュニティ」のあり方です。
ワイオミング大学はララミーという小さな都市にありますが、この街の中にはさまざまなコミュニティが存在しています。

例えば、音響の授業を担当してくださる先生は、ララミーの音楽コミュニティを活性化しようと努力しており、生徒にも街のコンサートやライブに参加するよう呼びかけています。私が実際に街のコンサートに参加したときは、ミュージシャンとリスナーが直接交流し、その出会いが次のコンサートや新しい音楽体験につながっていくのを目の当たりにしました。

さらに、留学生コミュニティ、美術や演劇のコミュニティがあるのはもちろん、宗教団体や地域組織が食事の場を提供し、コミュニティの中心となっているのも初めて目にしました。日本の都市部で育ち、かつ中学生時代にコロナのパンデミックを経験した私にとって、「コミュニティ」という概念はなじみが薄いものでした。しかし、対面で交流することの重要性や、人と関わることで新しいアイデアや人脈が生まれる可能性を実感する貴重な機会となりました。

興味深いのは、日本は集団主義、アメリカは個人主義という文化の違いがあるにもかかわらず、アメリカの方が「コミュニティ」を身近に感じられることです。レッスン中に先生から「日本人のアーティストはどのように交流するのか」と聞かれ、答えに迷ったことがあります。これは、アメリカ人の外向性や日本人の内向性も影響していると思いますが、アメリカでは個人の自由を尊重しつつ孤立しないために、自らコミュニティに参加して支えを作る仕組みが自然に発達しているのだと考えます。

留学の成果、将来の目標

留学が始まってから約1年間が経ち、無事に留学生活を終えることができました。
今年のワイオミングは例年と比べて気候が穏やかだったようで、日本とあまり変わらない気温の中で過ごすことができました。初めての海外生活で不安もありましたが、こうした環境のおかげで、徐々に新しい生活に慣れることができました。

授業では、タップダンスやバレエを含む舞踊を学び、日本では経験の少なかった身体表現の分野にも挑戦しました。また、専門分野である音楽音響についても、授業やレッスンを通してさらに知識と技術を深めることができました。技術を学ぶだけでなく、それらを将来どのように活かすか、社会にどのように貢献できるかについて考える機会も多くあり、自分の将来の選択肢について改めて考えることができました。

日本とは異なる授業スタイルも印象的でした。日本では机に座って先生の話を聞く形式の授業が多いですが、アメリカでは生徒の主体的な発言や実践的な取り組みによって授業が進んでいきます。最初は自分の意見を求められる場面が多く戸惑うこともありましたが、徐々にその環境にも慣れ、積極的に発言できるようになりました。
このような環境の中で、どのような状況においても自分の意見を持つことの大切さ、そしてそれを周囲にどのように表現すれば伝わるのかを学ぶことができました。

留学に来る前は、将来について漠然とした考えを持っていましたが、現在は、音楽を含むアートに携わる人々の才能がより適切に評価される社会を作りたいと考えるようになりました。アメリカは日本と比べてアートに対する理解や支援が進んでいると感じましたが、それでもアートが必ずしも収入につながらない現状があることも知りました。そのため、アートや文化の価値を社会に広げ、持続可能な仕組みを作るためにも、今後はビジネスや経営について学びたいと考えています。こうした考えを持つようになったのは、アメリカで出会った人々のアートに対する前向きな価値観や、アートの将来に希望を持っている姿に触れたことが大きなきっかけです。
この留学を通して出会った様々な人との交流や経験が、自分自身を大きく成長させてくれたと感じています。この貴重な経験を今後の学びや将来に活かし、社会に貢献できる人材になりたいと考えています。