HUMAP  兵庫・アジア太平洋大学間ネットワーク Hyogo University Mobility in Asia and the Pacific

2024年度『受入』

  • 氏名:Y. N. [ 中国 ]

  • 受入期間:2024年04月01日 ~ 2025年03月31日
  • 受入大学:神戸大学
  • 在籍大学:北京外国語大学


留学のきっかけ、目的

 私は小さい頃、ノーベル賞を受賞した日本文豪川端康成の著作を読んで、日本の伝統文化と日本人の美意識に魅了され、大学で日本語専攻を選びました。日本事情の勉強が進むにつれて、日本の経済発展に興味が強く湧いてきました。
 日本は、東洋の奇跡と呼ばれ、約20年間で戦後の荒廃から復興し、飛躍的な経済成長を遂げました。国民経済成長の投影として、高度経済成長に支えられて発達してきたのは工業地帯です。その中で、アジア貿易の中心港神戸、大阪を擁する阪神工業地帯は目覚ましい躍進を遂げ、中堅、中小企業の集積度が高い、アジア向け貿易依存度が高いといった点に特徴付けられます。貿易に伴う労働・資本・財といった生産要素の移動と経済活動の集積現象との関係、または経済成長との関係、さらにそれはデジタル化の推進によりどのように変化していくのかといった問題意識を持って、日本の地域経済成長に対する理解を深めるために、日本の大学院に進学することにしました。神戸は、適切な調査・実証の地域であり、貿易立国の日本を実感できる理想的な都市であると思います。日本社会の一員としてここで身を置くと、「日本の良さ」と「日本の課題」を発見できます。
 進学先の神戸大学経済研究科は、日本で最も伝統のある経済学研究の拠点で、経済に関する幅広い分野の研究・教育を行なっています。特に経済成長・国際経済学において世界的に活躍している教授が多く、最先端の研究に裏付けられる質の高い教育が行われています。ここで勉学・研究することで、経済成長に関する実践的な知識や幅広い能力を身につけられると思います。
 かねてから神戸は貿易の拠点として栄え、世界で魅力的な国際都市です。ここでは、世界中から大勢の人が集まり、多様な文化背景と個性を持った人々と出会うことができます。学術のほか、私は積極的にボランティア活動と社会活動に参加し、異なる文化や生き方を持つ人々と交流し、お互いの理解を深めたいと思います。私の好きな神戸出身の作家陳 舜臣が中日交流についてこう語りました。
 「海外に在住する中国系の人間として、日本人に中国のことを、よりよく知ってもらいたいという願望をいつも心に抱えていた。これを願望というより、私の本能だといっても良い。」
 私は彼の言葉に深く感銘を受けました。世界へ積極的に発信することで、自分も中国と日本、あるいは世界をつなぐ架け橋になって世界の文化・経済交流に貢献したいと思います。

留学中の体験

留学の成果、将来の目標