HUMAP  兵庫・アジア太平洋大学間ネットワーク Hyogo University Mobility in Asia and the Pacific

2019年度『派遣』

  • 氏名:河村 菜々香 [ 日本 ]

  • 受入期間:2019年09月02日 ~ 2020年07月15日
  • 受入大学:太平洋国立大学
  • 在籍大学:神戸市外国語大学


留学のきっかけ、目的

私は、外国語大学に入ったら必ず留学しようと決めていました。というのも、勉強する言語の国には一度は訪れたいという考えがあったからです。また、長期間の留学は在学中にしかできないことだし、大学の留学制度が整っており、留学先の情報も豊富で安心だったからです。

留学の目的は主に2つです。1つはもちろん語学力の向上です。日本で学習していると、どうしても日本語に頼ってしまう傾向があります。24時間ロシア語に触れられる環境はとても都合がいいと思いました。この成果としてロシア語検定試験の1番上の級に合格することが目標です。
もう1つは自分の価値観を広げることです。ロシア語を学ぶに当たって、日本とロシアでの暮らしぶりや考え方の違いを知り、とても驚きを覚えました。そこで、日本の外に出て色々なものを自分の目で見て聞いて、吸収したいです。

留学中の体験

 ハバロフスクへ来て、早4ヶ月がたちました。ロシアでの生活は日本のものとは全く異なり刺激的で、留学しなければ知らなかったことだらけです。
 授業は週4日、専攻のロシア語のほかに、英語、言語学、国際ビジネス交渉という科目を受講しています。課題としてよく10文程度のテキストの暗唱が課されます。日々たくさんのロシア語を浴びて、語彙力とリスニング力が向上したのを感じます。
クラスメイトはほとんどが中国人ですが、お互いの文化について尋ねあったり、言語交換をしたりと、良い関係が築けています。最近では、留学生のための歌と絵葉書のコンクールが催され、一緒にロシアの歌を発表しました。もうすぐテスト期間ですが、テストの日程を教えてもらうのにかなり時間がかかりました。これに限らず、ロシアでは情報伝達が遅かったり、自分から行動しないと事が進まないので苦労が多いです。これぞロシアだなと感じさせられます。
 学外では、月に一度開かれる、日本語学習者との日本語会話クラブへ参加しています。参加者が多く、年齢も様々な人と会話をすることもできます。土日には、友人とバレエやサーカス、アイスホッケーを鑑賞したりと、ロシア文化に触れるよう街へ出歩きます。12月1日には、日本語能力試験(JLPT)の試験監督の手伝いをさせていただきました。日本人は受けることのできない試験を垣間見れて貴重な経験になりました。
 11月以降氷点下が続き、外へ出るのが億劫ではありますが、12月末にはウラジオストクを旅行する予定です。残りの留学期間も寒さに負けず、ロシア語に、そしてロシア文化に触れ続けていきます。

留学の成果、将来の目標

 7か月間の留学を終えて、当初の目的を果たせたと感じています。まずは語学面です。毎日知らない単語の連続で意思疎通が難しかったものの、現地で生活できたからこそ、それをものにしたいという意欲が活かせました。語彙や独特な言い回しを、授業や現地学生たちとの交流を通して多く吸収出来た実感があります。またロシア語ではこう言うが、日本語、中国語等ではどう言うのかという対比もできて、面白かったです。次に生活面です。日本での常識が通用せず、対立することも多くありました。いきなり風呂場の工事をされた時は一番驚かされました。そこから、自分の考えをどうにか口にしようという意識や、常識を疑う癖がつき、一皮むけた感じがします。10か月やり通せなかったことは悔しいですが、自分の目でロシアを見られてよかったです。ロシアってどんな国か尋ねられたら、実体験も含めて、今なら自信をもって答えられます。
 将来の目標はまだ定かではありませんが、まずはこの留学で経験したこと、感じたことを忘れないようにしたいです。必ずそれが活きる場面があると信じています。