HUMAP  兵庫・アジア太平洋大学間ネットワーク Hyogo University Mobility in Asia and the Pacific

2018年度『派遣』

  • 氏名:安田 晴菜 [ 日本 ]

  • 受入期間:2019年03月04日 ~ 2019年03月29日
  • 受入大学:エンデラン大学
  • 在籍大学:兵庫県立大学


留学のきっかけ、目的

 私の留学の契機は以前ボランティアとしてフィリピンに赴いたことである。その際貧困層の生活の現状を学び、経済格差が人々に与える影響が多様であることを目の当たりにした。また子供たちや現地の同年代の人々と関わる中で、言語以外のコミュニケーションの幅を広げることができたが、同時に自身の語学力の乏しさを痛感した。このことから、言語を用いて、より正確に分かりやすく相手と会話をしたいという気持ちが強まった。
 よって、留学の目的として大きく2つをあげたい。1つ目は人々の多様な背景、考え方を知り、視野を広げることである。現地の学生や他国からの留学生とも積極的に交流し、多様性を理解することで、自身の成長を目指すと共に、専攻分野の学習にもつなげていきたい。2つ目は語学力の向上である。大学での学習やインターンシップを通し、英語のみならず現地の言葉や専門用語の学習にも意欲的に取り組み、より効果的なコミュニケーションを実施できるようになりたいと考える。以上が私の留学の目的である。

留学中の体験

フィリピンでの生活は、学びが多く非常に充実したものとなっています。大学ではネイティブの先生方との会話やインターンに向けた準備などを通し、海外での仕事観や貧困層についての考え方など、本やネットなどでは到底学べないような価値観に多く触れる機会が得られています。また、現地の同い年の女性の仕事ぶりや、周囲の日本人学生の語学力の高さに良い刺激を貰う毎日です。
また、数日前から現地の総合病院でのインターンシップが始まりました。現地でも有数の設備が整った病院とあって、様々な国からの患者専用ラウンジや家族向けのホテルなど、ホスピタリティが非常に整っています。このような恵まれた環境で、新人ナースの研修に参加させていただいたり、病院の施設を案内していただいたりしながら、日本とフィリピンの医療の違いを日々実感しています。また他国の患者への看護の難しさについてもお話を伺い、自身の夢についての気持ちをさらに強めるきっかけとなりました。残りの生活も、悔いの残らないよう積極的に学んでいきたいと思います。

留学の成果、将来の目標

フィリピンでの生活は、毎日が日本との「違い」を実感する日々でした。勿論言語の違い、医療の違いなど様々ですが、最も実感したのは他人に関しての考え方です。日本で暮らしていると、時に日本人の他人に対する無関心さを日本人同士でも強く感じることがあります。しかしフィリピンでは、顔見知りの大学の先生やインターンシップ先の看護師だけではなく、カフェで偶然横に坐った人や清掃のスタッフまでもが、日本人である私達にも気さくに話しかけてくれます。そしてこちらが困っているようなときは、いつでも助けてくれようとするのです。さらに、インターンシップでお世話になった病院では、新人研修の時から、外国人患者に対する敬意の示し方や接し方を丁寧に教えていました。このことについて、インターンシップの研修で一緒になった新人ナースに尋ねてみたことがあります。すると彼らは、キリスト教の教えで、誰に対しても良い行いをすることがフィリピン人のポリシーなのだと教えてくれました。私は明確な宗教観を何一つとして持ってはいませんが、実際にこれを実行できるフィリピン人に深く尊敬の念を覚えました。そういった考え方こそが、フィリピン・ホスピタリティーを作り上げているのだと思います。
私は将来、医療通訳の資格をとり、日本で看護師として働きながら、日本人だけでなく様々な国から来た患者の看護をしたいと考えています。今回得られた貴重な体験、また語学留学の中で受けた多くの刺激を今後の勉強につなげつつ、自分の夢を叶えていきたいです。